ナースが医師に対してアサーティブに自己表現できない事例

ナースの自己表現

患者のIさんが、自分の病状や今後の治療方針を医師に聞またがっていました。Iさんは「先生が最近来てくれない。私の病気は悪い病気だから、さじを投げているのではないのか」不安を強めていました。

怒りっぽいK医師に対し、てJナース「患者さんと話す時間をとってほしい」と言えずに悩んでいました。

アサーションはできない看護師

悩むナースJナースは命令的な医師に対して、自分の意見を言うのが苦手です。医師を批判していると受けとられるのではないかと思うと、奥歯に物のはさまったような言い方をしてしまい、結局言いたいことが伝わらないここがよくあります。

今回も、K医師の気に触るようなことを言ってしまって、もめごとになってはたいへんだ、という気持ちが勝ってしまつたのです。
さて、Jナースはどのようなとき、医師に対して非主張的になるのでしょうが。ひとつの傾向として、ナースは権威的で命令的な医師に対して、非主張的に対応することが多いようです。

自分の気持ちや言いたいことを抑えて、医師の言う通りにしてしまいます。本当は反対の意見や断りたい気持ちがあるときでも、それをこらえて、医師の意見や命令に従ってしまいます。

どうせ言っても聞いてもらえない、と最初からあきらめている場合もあるでしょう。なかには、医師の言う通りにしていれば間違いないと考えて、最初から医師に判断を任せてしまい、自分で考たたり、判断したりしない人も、残念ながらいるようです。

看護師は、どう考えるかが重要になる

長い間医師の判断や意見にだけ頼って、ナースとしての判断や意思決定をしないで仕事をしていると、あるいは、違う意見を言っても、抑えつけられれてきた体験を積み重ねると、自己表現する「自分」の考えや欲求を、最初からもたなくなってしまう、ということも起こります。

以前、ある看護師が参加した医師とナースの合同カンファレンスの場で、あるナースが医師に「先生、この患者さんの看護目標は何でしょうが?」と質問したことがあります。それを聞いて、たいへん残念に思いました。看護の目標まで異職種である医師に指示を仰ぐというのは、いかがなものでしょうか。「自分はどう考えるか」がないかぎり、アサーションはできないのです。

攻撃的なコミュニケーション

今度は、医師に対して攻撃的になる場合をみてみましよう。

日ごろから仕事熱心で、患者のためを思う気持ちが強い主任。病棟では看護師長とともに患者の入退院の調整をしています。ある日、患者Mさんの主治医から退院の話が出ました。Mさんは大腸がんで手術を受け、人工肛門を造つた患者さんです。がんの発見から手術までの期間が短かったこともあり、手術後三週間あまり経ちますが、Mさんはまだ自分の人工肛門を見ることができません。

主任は、Mさんが人工肛門を自分でケアできるようになるまで入院させていたいと考えていました。Mさんも、妻が働きに出ているので、もうしばらく入院していたいと希望していました。しかし主治医は、患者の術後の経過は順調であり、外来に通いながら自宅で療養できると判断し、Mさんに三日後の退院を伝えました。その話を聞いたし主任は、ナースステーションにいた主治医に声を荒げてこう言いました。

「先生は、Mさんの今の状況がわかつているんですか?Mさんは、まだ病気が受け入れられていないんですよ。自分の人工肛門もまだ見られないほどです。それなのに、退院させるのですか?昼間は自宅に一人なんですよ。もう少し患者さんの身になって考えてあげたらどうをんでずか?」

主任がMさんのことを心配している気持ちはよくわかります。確かに主治医は、Mさんがまだ自分で人工肛門のケアができないような状況なのだから、Mさんに直接退院の話をする前に、他の医療スタッフに相談することが必要だったでしよう。

しかし、それをしなかったからといって、一方的に主治医を責めるようなことではありません。主治医には主治医の考え方があるのです。し主任は、主治医のやり方は間違ったものであり、その医師としてのあり方は非難されるぺきものであると思い、攻撃しています。これでは主治医も態度を硬化して、建設的な話し合いができなくなってしまうでしよう

疼痛コントロールの仕方について医師を責めるナース

がんの末期で疼痛コントロールが難しい患者さんがいました。患者さんは常に痛みを訴えています。担当のNナースは、麻薬の量を増やしたほうがいいのではないかと考え、主治医に

「麻薬を増やしてはどうでしょうか」と提案しました。すると医師は「増やすつもりはない」と言います。Nさんはカーツとして、

「先生、患者さんはとても痛がっているんですよ。先生は患者さんのことをちやんと考えているんですか?」大声をあげて、医師に詰め寄ってしまいました。

前述したように、医師のなかには権威的で攻撃的な人がいます。攻撃的で命令的な医師に対して、なかなか意見が言えず、ストレスをため込んでいる非主張的なナースが、あるとき我慢が高じて、突然強い口調でその医師を攻撃する、ということがあります。

また、日ごろ権威的な医師に対してもっている気持ちを、権威的ではない他の医師に向け変えてぶつけることがあります。いわゆる、八つ当たりです。また、直接当人に言わないで、裏でその医師の悪口を言うこともあります。

それで少しは気が晴れるかもしれませんが、そのような場で表現しても、結局、その医師に自分の考えていることや不満に思っていることなどは伝わらないので、現実的な問題解決には結びつきません。

まとめ

また、ナースのなかには、JナースやNナースのように患者のためを思う気持ち、医師とはこうあるぺきだという気持ちが強いために、そうではない医師の言葉や態度を目の当たりにすると、強い怒りを感じ、その姿勢を正してやるべく、一方的に医師を非難する、という人もいるようです。
しかし、それではチームでよい医療を提供する、といった風土をつくれなくなってしまいます。

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